- 【古本買取の老舗】大阪・杉本梁江堂 >
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明治36年に大阪で創業した杉本梁江堂は、地元大阪と共に歩んでまいりました。そのため、大阪に関する書物の買取・蒐集は常に心がけております。大阪に関するものでしたら、江戸時代に出版や書かれたものから、最新刊まで買取させていただいております。取扱品は、古典籍・古文書・古地図・刷り物・各市町村史・雑誌・古写真・絵葉書・報告書・大阪ゆかりの作家の著作など、あらゆるジャンルの大阪関係を買取させていただいております。特に戦前のものには、史料的価値の高いものが多くございますので、ぜひともお知らせください。
大阪三十六景(赤松麟作 金尾文淵堂 木版彩色刷 昭和22年刊大阪で活躍した洋画家赤松麟作(あかまつりんさく)(1878~1953)の版画集で大阪城・四天王寺・住吉神社他萩の寺・箕面など市内・府内の名所三十六景を木版彩色刷りで収めています。赤松麟作は、岡山県津山生まれ。明治37年(1904)に大阪朝日新聞社に挿絵記者として入社。退社後は洋画家として多くの作品を描きました。大正15年(1926)には心斎橋丹平ハウスに「赤松洋画研究所」を開設し、佐伯祐三(さえきゆうぞう)など多くの画家の育成にもあたりました。
摂津名所図会 揃12冊 (秋里籬島編・竹原春朝斎画 寛政10年 (1798) 摂津名所図会は、摂津国の名所を絵画と文章で紹介した地誌です。京都の町人・吉野屋為八が計画。1796年(寛政8年)~1798年(寛政10年)年に刊行された、摂津国の通俗地誌。観光案内書でもありました。編集は俳諧師・秋里籬島(あきさと りとう)が担当し、絵は竹原春朝斎(たけはら しゅんちょうさい)が担当。秋里籬島による名所の由来記、竹原春朝斎による俯瞰図を多用した挿絵が特徴です。この2人は『都名所図会』を皮切りに、吉野屋為八が企画した多くの名所図会を手がけました。その上、編者や画家に、籬島、春朝斎以外の人々、たとえば画家の丹羽桃渓らの参加を求めたので、名所図会は見た目が一層にぎやかになりました。また東都の『江戸名所図会』が刊行されるのは、この『摂津名所図会』刊行の約40年後のことです。
「近代大阪の建築 明治・大正・昭和初期」 大阪府建築士会 昭和59(1984)大阪は、古くは経済の中心であり、独自の文化を育んだ土地でもあります。明治4(1871)年に造幣局が大阪に建設されて以来、大正、昭和と工業都市への変遷のを経て、「大大阪時代」と呼ばれる人口が東京をも上回る日本一の大都市となりました。本書はその当時の近代史上、重要なすぐれた建築物の写真・資料が散逸されぬよう、大阪建築士会がまとめたものです。既になくなっている建築物の写真・資料も収録されており、大変貴重な写真集と言えます。
「第五回内国勧業博覧会 写真帖」 明治36(1903)内国勧業博覧会は、明治10(1877)年に大久保利通の提唱によって始まりました。第五回内国博覧会は明治36(1903)年に大阪・天王寺と第二会場の堺で開催されました。内国勧業博覧会史上、最後にして最大の博覧会と言われています。500万人以上が訪れたと言われるこの博覧会によって、大阪は莫大な経済効果を受け、「大大阪時代」へと突入していくのです。本書はその博覧会のパビリオン及び風景写真集です。博覧会の夜景なども収録され、当時の雰囲気がわかる好書と言えます。これ以後、日本で本格的な博覧会が行われるのは、昭和45(1970)年の万国博覧会まで待たねばなりません。
大阪市街区分新図(片岡賢三編 銅版彩色刷 明治24年)江戸時代の大坂は「浪華八百八橋」と呼ばれ「水都大阪」の景観を彩っていました。しかし、明治時代以降、都市大阪の近代化にともない、交通手段が、船舶から鉄道・市電・自動車へと変わり、人びとの暮らしや祭礼、伝統文化をはじめとして「水都大阪」の景観は大きく変化しました。掲載の地図は市内の名所43図を周りに配し、発展する大阪の様子を窺える銅版彩色刷りの美しい地図です。
大阪各商店引札(木版彩色刷・銅板彩色刷 明治期)一枚刷りの広告で、京坂では古くからちらしと呼ばれていました。元禄期から始まり 文化・文政期に盛んとなりました。明治に入り図柄も大いに工夫され、従来の美人画・七福神・暦以外に鉄道・汽船・洋楽器等文明開化の匂い溢れる引札が多く登場してきました。商都大阪の各商店・店舗は知恵を大いに絞り競って、客の目を楽しませていました。記載の引札は大阪の商店が発行した大判の状態のよい引札です。
古典籍の古書買取は、杉本梁江堂が創業以来力を入れている分野の一つです。古典籍とは、江戸時代以前に出版や書かれた本ですが、その分野は、古写本・古版本・経巻・絵巻物・国文学・演劇・趣味・地誌・医学・易学・仏教・切支丹などの宗教書・書道・印譜・法帖・漢籍・唐本・古文書・古地図などあらゆる分野に及びます。貴重なものも多数ございますので、「汚いので捨ててしまおうか」「何が書いてあるかわからない」というものでも、ぜひ杉本梁江堂に古書出張買取のご相談をお願いいたします。思わぬ値段になる場合もあります。
噺本・春興噺萬歳 揃5冊(桂文耒 三木探月画 文政五年刊)噺本とは江戸時代の文芸の一種で笑い話を集めた書物の総称で軽口本・落咄本などがあります。桂文耒は初代桂文楽に入門し大坂に移り活躍、三木探月は大坂の画家で読本・草双紙等に挿絵が多く見られます。「春興噺萬歳」は各9~11編の落噺と滑稽な挿絵が見開きに各一葉ずつ入った好もしい書籍です
音曲鼻毛ぬき(耳鳥斎 勝尾屋六兵衛板 寛政9年刊) この書籍は浄瑠璃の語り方を縷々したもので、著者の耳鳥斎の自画が三葉挿入されています。耳鳥斎は俗称を松尾平三郎と云い、安永年間の人で、大坂で骨董商を営み、かたはら狂画をよくし、義太夫節に巧みで、松平とも号して「水や空」「歳時滅法戒」他数種の絵本の著があります。
日本名山図会 揃3冊 (谷文晁 須原屋茂平衛他板 文化元年)本書は谷文晁が実際に北海道から九州を旅し、自薦の名山を描いたもので、これは実際の風景を見て描いた最初の風景画で画期的な画集です。富士山・浅間山・高野山・大山他日本全国の名山90が三冊に収められています。
歌舞伎・文楽・浄瑠璃・能・狂言などの古典芸能から落語・講談・漫才・浪曲・手品などの大衆芸能まで、また、喜劇やレヴュー・舞台芸術等も積極的に買取をしております。芸能に関するものでしたら、研究書・芸談からパンフレット・ポスターやグッズ類も取り扱いますので、お気軽にご相談ください。芸能関係書の古書古本出張買取は、関西で一番多いと自負しております。阪急店近くには梅田芸術劇場が、天神橋店近くには天満天神繁昌亭がありますので、各種芸能ファンの皆様には大変ご愛顧いただいております。
新板絵入 狂言記外五十番」 5冊 菱屋治兵衛版 元禄13(1700)狂言は、能と同様に猿楽から発展し、滑稽な部分を劇化、室町時代に成立した伝統芸能です。この本は江戸時代の狂言台本集の一つ。他に「狂言記」「続狂言記」「狂言記拾遺」があり、各50番ずつ計200番が収められています。本書は各冊10番ずつ収められ、演目ごとに舞台図が描かれています。この本は流布されている横本ではなく、半紙本縦版で原表紙・題簽付きで保存も良いものです。
「川上音二郎 欧米漫遊記」 金尾文淵堂書店 明治34(1901) 川上音二郎は福岡県出身の「オッペケペー節」で一世を風靡した興行師、また「新派劇の父」と称される新派劇の創始者であり、「浮世亭○○」と名乗った上方落語家でもあります。明治24(1891)年に大阪・堺で一座を旗揚げし、東京でも大人気を博しました。この本は、明治32(1899)年に女優で妻の貞奴ら一座とともに欧米を巡業、大好評を得た時の日記仕立てにした漫遊記です。巻末に「戯曲 洋行中の悲劇」を掲載しています。巻頭の音二郎、貞奴の写真や舞台写真も大変珍しい資料です。
「日本名物大阪文楽座人形画集」 長谷川小信画 昭和3年 人形浄瑠璃文楽は、日本を代表する伝統芸能の一つで、太夫・三味線・人形が一体となった総合芸術です。その成立ちは江戸時代初期にさかのぼります。竹本義太夫の義太夫節と近松門左衛門の作品により、人形浄瑠璃は大人気を得て全盛期を迎えました。幕末、淡路の植村文楽軒が大阪ではじめた一座が最も有力で中心的な存在となり、やがて「文楽」が人形浄瑠璃の代名詞となり今日に至っています。本画集は戦前期大阪で活躍した長谷川小信が人形画30図・舞台図10図描いた木版画集で色鮮やかな保存状態のよい画集です。
「市川団十郎乃代々」 2冊 伊原敏郎 大正6年日本を代表する伝統芸能である歌舞伎、また歌舞伎役者の中でも最も権威のある名跡である市川団十郎は十二代目まで連綿と続いています。本書は初代から九代目までの伝記で貴重な写真等を収め、下巻は名優と謳われた九代目を詳しく記しています。作者の伊原敏郎は演劇研究家、劇評家、劇作家、小説家で、早くから坪内逍遙の勧めで日本演劇史の研究を志し、『日本演劇史』(1904)、『近世日本演劇史』(1913)、『明治演劇史』(1933)の三部作、『歌舞伎年表』8巻(1956)等があります。
日本の木版画は世界に誇る芸術品です。その芸術品である浮世絵・版画を杉本梁江堂は、創業以来力を入れて買取・蒐集をしております。初期の鳥居派をはじめ、春信・歌麿・写楽・広重・北斎・豊国・国芳・芳年などの江戸期の浮世絵は美人画・風景画・芝居絵などの分野を問わず買取りいたします。また、暁斎・年方・清親・貞信等の明治以降から五葉・清方・巴水・深水・夢二・雪岱などの近代版画まで買取・蒐集しております。また芝居絵中心の上方絵や浮世絵師が描いた双六絵・組上図・おもちゃ絵なども積極的に買取をしておりますので、ぜひともご相談ください。
名所江戸百景の内「深川洲崎十万坪」 歌川(安藤)広重画「東海道五十三次」で有名な歌川(安藤)広重は、ゴッホやモネなどにも多大なる影響を与えた世界的風景画家ですが、この絵は、広重最晩年のシリーズ「名所江戸百景」(全118枚)の中の1枚です。このシリーズは何気ない江戸の風景の中に俯瞰・ズームアップなど大胆な構図を取り入れ、視覚的な面白さから当時の大ベストセラーとなりました。また西洋画家に最も影響を与えたシリーズでもあります。後摺りながらこの「深川洲崎十万坪」の構図も空から大鷲が雪の深川洲崎十万坪を眺めるというスケールの大きな作品で、シリーズ中最も人気のある作品の一つです。
横綱不知火土俵入之図 國貞画 江戸末期 3枚続江戸時代“相撲錦絵”と呼ばれる浮世絵が人気を博し、肖像、取組、日常など様々な浮世絵が描かれました。この図は國貞(三代豊國)がえがいたもので、第十一代横綱不知火は色白男前で華麗な土俵入りは江戸中の評判となりました。土俵入りの「不知火型」に名を残す横綱です。
「頼光四天王大江山鬼神退治之図」 一魁斎芳年画 3枚続源頼光と頼光四天王(渡辺綱・坂田公時・碓井貞光・卜部季武)が悪行を働く京都・大江山に住む鬼を退治するという酒呑童子伝説にまつわる浮世絵です。絵師の芳年は歌川国芳の弟子で、武者絵・役者絵・美人画など各分野を描いていますが、特に「血まみれ芳年」との異名を取るほど独特の画風を見せた浮世絵師です。水野年方他弟子も多数育て、他の絵師たち、特に日本画家にも多大な影響を与えたことで知られています。芳年は現代で最も人気のある浮世絵師の一人です。
浪花料理情事魁 長谷川貞信画 明治初期 中判13枚長谷川貞信は幕末期から明治初期にかけて活躍した大阪を代表する浮世絵師です。この浪花料理情事魁は大阪の有名料理屋を副題にしたそれぞれ2名の婦人を中心に描いた美人画です。
上方役者絵傾城百万國 芦由紀画 江戸末期 大判2枚上方、つまり大坂・京都で作られた浮世絵で、大半が役者絵で、江戸のものとは異なる独特の似顔絵表現を持っています。作者の芦由紀は文化10年(1813年)から天保4年(1833年)にかけて多くの役者絵を描き、もう一人の代表的画家である北洲と対峙してこの時代の上方絵を支えた浮世絵師です。
伊東深水木版画 蛍狩美人 昭和6年 大判1枚伊東深水は大正から昭和にかけて活躍した浮世絵師・日本画家・版画家です。14才で鏑木清方に入門し、18才で文展に初入選し、翌年には新版画運動に参加し「美人画の深水」として名を馳せ、今現在でも圧倒的な人気を誇っています。蛍狩美人は昭和6年に渡辺版画店より発行され、上品な正統派美人を描いています。
大野麦風木版画 大日本魚類画集の内 アユ・フナ 西宮書院刊大野麦風は大正から昭和にかけて活躍した洋画家・版画家です。大日本魚類画集は麦風の代表作で、1937年(昭和12年)から発行されたにもかかわらず、「原色木版二百度手刷り」といわれる贅沢・手間暇をかけたもので、その鮮やかで緻密な表現は見るものを圧倒します。全部で72枚が発行されましたが、揃いはなかなか市場にあらわれません。
「曲馬写生帖」 川西英 版画荘 昭和9(1934)川西英は神戸生まれの版画家で、昭和40(1965)年に70歳の生涯を閉じるまで、終生神戸を離れることはありませんでした。独学で自画・自刻・自摺の創作版画に取り組み、色鮮やかな独特の画風を確立しました。『神戸百景』に代表されるように、神戸・港町を画題にした作品が数多くありますが、本書や『奇術魔術』『サーカス』など奇術・サーカスを画題にした作品もたくさん発表し「サーカスの川西」と呼ばれたこともありました。この本も川西英らしい鮮やかな、楽しい版画帖です。
あらゆる趣味に関する古書古本も杉本梁江堂は買取しております。茶道・華道・香道・武道・鉄道、自動車カタログなど乗物関係・釣り・動物・植物・山岳・料理・易学・古銭などは趣味として多数の愛好者がいらっしゃり、需要も多くございます。また、戦前の古き良き時代を映すものとして、花柳関係・風俗関係の古書古本も杉本梁江堂は積極的に扱っており、関西有数の在庫がございますので、それらの古書古本出張買取のご相談もお待ちしております。各種趣味に関する本の出張買取は杉本梁江堂にお任せください。
「水産図解」 2冊 藤川三溪 井上神港堂 明治22(1889)本書は、上巻に淡水・海水の魚類を、下巻に海草や貝、海獣、甲殻類といった魚以外の生物を計448種収録した水産動物図鑑です。ページの上段に生物の名称、中段に生物の図、下段に形態や生態、利用法等の解説があります。図も著者筆のものです。著者の藤川三溪は、高松藩に仕える医者・儒学者でしたが、幕末には尊王攘夷運動に参加し、投獄もされました。晩年は、水産会社や水産教育機関などを設立し、漁業の振興に尽力しました。この本が出版された同じ月に三溪は74歳の生涯を終えました。
「花くらべ 『スズメ』第7年6月臨時増刊」 大連笑喃社 大正5(1916)南満州鉄道は明治39(1906)年に日露戦争の後設立されましたが、本書は大連や旅順、奉天などその沿線各地の芸妓や料理店、貸座敷等を案内したガイドブックです。巻頭に在満州の花柳界美人約200人の写真を掲載し、その後の本文では各地の店に所属する芸妓の名前・出身地・本名・生年月日が記されています。合間に入る満州の商店広告も興味深いものがあります。この本は年度ごとに満州で発行されたようですが、満鉄は昭和20(1945)年に消滅していますので、現存少なく貴重な資料です。
「コドモアサヒ 創刊号」 朝日新聞社 大正12(1923)『コドモアサヒ』は、『子供之友』(大正3年)『コドモノクニ』(大正10年)に続いて、大正12年から昭和17(1942)年まで大阪朝日新聞社で発行された子供向け絵本雑誌です。武井武雄・初山滋・本田庄太郎・黒崎義介・北原白秋・水谷まさるなど豪華作家陣で、創刊号にも武井・本田・水谷らが執筆しています。この創刊号は、関東大震災直後の発行で、収録の「くわんのんさま の はと」(小寺菊子・文 岡本帰一・絵)は、震災に遭った浅草の観音様のハトを主人公としたエピソードです。
「隠語構成の様式並其語集」 樋口榮 警察協会大阪支部 昭和10(1935)著者の樋口榮は、医学博士であり、少年犯罪の研究者でもありました。本書は主に関西方面で使われている犯罪隠語を収集整理した貴重な文献です。隠語の構成様式を整理・分析し、犯罪以外でも使われる隠語も含めて五十音順に並べられています。また、各地方(北海道から九州まで)で使われている隠語・性的隠語・賭博隠語など、特殊な隠語までまとめられています。「警察協会大阪支部」から発行されると言う信頼のおける文献です。
杉本梁江堂は創業以来、美術館・画家・美術評論家の方々にも大変ご愛顧をいただいております。美術に関する古書古本でしたら、日本のもの、海外のものを問わず、画集・作品集・美術評論はもちろんのこと、美術館・博物館の展覧会図録も積極的に買取をさせていただいております。また、骨董・古美術・陶芸・工芸・民芸関係書や建築関係書・デザイン書・写真集の古書古本の買取もお任せください。書道関係におきましても日本の書・中国の書・法帖・印譜・拓本・硯・印材など多数の買取実績がある杉本梁江堂にぜひご相談ください。
楳嶺画鑑(全七帖 幸野楳嶺画 大正2年刊 芸艸堂)幸野楳嶺は江戸末期から明治期にかけて活躍した日本画家です。彼は子弟教育に優れ、楳嶺四天王(菊池芳文・谷口香嶠・竹内栖鳳・都路華香)と呼ばれる優れた画家のほかにも川合玉堂・上村松園など後世に名を残す多くの画家を輩出しました。「楳嶺画鑑」は彼の没後20年、芸艸堂から花鳥風月、人物、魚、動物等を彩色木版刷りで各帖15図で全105図からなる美術画帖です。
「省亭花鳥画譜」 3冊 渡邊省亭画 大倉孫兵衛版 明治24(1981)渡邊省亭は菊池容斎門下の明治から大正にかけて活躍した日本画家です。西洋画の表現方法も取り入れ、花鳥画を最も得意にしていました。木版画による挿絵・口絵も得意にしており、木版画を中心とした明治時代の最も格調高いと言われる美術雑誌『美術世界』では、編集主任も努めました。本書はその最も得意とした花鳥画の木版画集で、桜に上鶲・懸稲に雀・蓮の実に鼠・群鳩に蔦など、全66図を美しい彩色木版画で生き生きと、また華麗に描いています。
鐵齋落款帖(昭和32年 五禾書房)富岡鉄斎は日本最後の文人と謳われる、明治・大正の文人画家・儒学者です。彼の画風は主に中国古典を題材にはしていますが、狩野派・大津絵ほか様々な要素を取り入れ極めて独創的な独自な作品は日本のみならず世界からも高い評価を受けています。「鉄斎落款帖」は彼の残した多くの落款のうちより選択編集し釈文をつけて刊行されたものです。
廣重・北斎 東海道五十三次 旅ごころ 浮世絵展(2001年・松坂屋刊行)/没後200年 若冲展 特別展覧会(2000年 京都国立博物館)昨今の展覧会カタログ(図録)は画集ともいえるレベルを備えた高品質なものが多くあり、美術愛好家のみならず多くの方より需要があります。「廣重・北斎 東海道五十三次 旅ごころ 浮世絵展」は浮世絵界の二巨匠が残した東海道の各名所を現代の写真とともに比較した展覧会図録。「没後200年 若冲展 特別展覧会」は江戸中期京都で活躍した伊藤若冲の全画業を偲ぶオールカラー、落款入、年譜付の展覧会図録です。
印籠の研究「水谷コレクション」(水谷秀次郎 昭和63年 限定300部)印籠とは薬などを携帯するための小さな容器で、当初は印を入れたことから印籠と言います。この書物は古美術商・水谷秀次郎が蒐集した200点もの印籠をオールカラーで紹介・解説した限定本です。
フェノロサ資料(3冊 ハーヴァード大学ホートン・ライブラリー蔵)(村形明子訳 1982年 ミュージアム出版)A・F・フェノロサはアメリカの明治時代に来日したお雇い外国人で日本美術を評価し紹介しました。この書はフェノロサの知られざる活動と思想の軌跡を示す近年発見の一群の遺稿で、テーマ別に整理、編集、校訂の上翻訳した資料集です。
映画・音楽関係書は杉本梁江堂が力を入れて買取・蒐集している分野です。阪急店・天神橋店とも、棚には充実した品揃えを心がけています。邦画・洋画にかかわらず、映画評論・映画歴史・監督論・俳優論等、また、1960年以前の映画パンフレットなども買取いたします。音楽関係は、クラシック・ジャズを中心に作家論(バッハ・モーツァルト・ベートーヴェン・ハイドン・マーラー等)・音楽評論(吉田秀和・遠山一行・武満徹他)オペラ関係・ジャズ演奏評論(M.デイビス・C.パーカー・L.バレンタイン等)は積極的に扱っております。また、ビートルズ関係・タンゴ・フォークなどの古書古本も買取りますので、ぜひともご相談ください。
山中貞雄作品集(全4冊)(実業之日本社・1985年刊)/山中貞雄作品集全1巻 監督山中貞雄(実業之日本社・1998年刊)山中貞雄は明治42年(1909年)京都生まれの映画監督・脚本家で、「若き天才監督」として将来を嘱望されていましたが、昭和13年(1938年)中国河南省で赤痢にて戦病死しました。満28才でした。・山中貞雄作品集(全4冊)は全シナリオを収録し、別巻は伝記・評伝を編集記載しています。・山中貞雄作品集全1巻・監督山中貞雄は1998年に再編集したものです。
トリュフォーの映画術(アンヌ・ジラン)(水声社・2006年)/別冊太陽女優Ⅱ(双葉十三郎編)(平凡社・1985年)《ヌーヴェル・ヴァーグ》を代表する映画作家フランソワ・トリュフォーがインタビューで自らの作品・映画理論・そして自分自身を語る決定版映画的伝記です。M・ピックフォードからM・モンロー、A・ヘプバーン、グレイス・ケリーまで、38名の銀幕のスターを写真入で洋画評論第一人者の双葉十三郎が解説しています。
事典 映画の図書(辻恭平) (凱風社・1989年)/日本の映画音楽史Ⅰ(秋山邦晴)(田畑書店・1974年)・事典 映画の図書は1897年から1985年の約90年間に国内で刊行された映画に関する書籍や冊子を集大成した画期的映画書誌です。・秋山邦晴は現代音楽の評論家ではあるが、映画音楽の研究でも先駆的な調査・資料収集を行い、・日本の映画音楽史Ⅰは他に類を見ない記念碑的労作です。残念ながらⅡ以降は刊行されていません。
セイヤー ベートーヴェンの生涯 上下2冊(大築邦雄訳)(音楽之友社・1974年)セイヤーはアメリカのジャーナリストであり、ベートーヴェンの学術的な伝記を最初に執筆した作家で、その内容の正確さと信頼性から、発表から幾年月を重ねました現在でも、ベートーヴェンに関する第一級基礎資料です。
吉田秀和全集 13冊(音楽之友社・1979年)吉田秀和はクラシック音楽の豊富な体験・知識をもとに、日本の音楽評論の先駆的役割を果たした。日本の音楽評論家として初の個人全集です。
勉強・研究に使っていた学術書・研究書の買取も、多数の公共機関・研究機関・大学研究室と取引させていただいている杉本梁江堂にご相談ください。学術書・研究書でしたら、日本史・東洋史・大陸関係(満州・台湾・朝鮮など)・戦記・西洋史・考古学・民俗学・文化人類学・国文学・書誌学・仏教・キリスト教・神道・各種宗教・思想・哲学・社会学などあらゆる分野を買取させていただきます。大学研究室等の整理・買取も多数承っております。最も良い方法を提案させていただきますので、お気軽にご相談ください。
新釈漢文大系(明治書院刊 全120冊+別巻1冊)中国の古典を網羅した「漢文大系」で、古代中国から宋代までの著名な思想・歴史・文芸古典を完訳し解説しています。「本文」と「書き下し文」を上下に記載し、原文・通釈(読み下し)・語釈(現代語訳と解説)・余説と索引を備えています。研究者・学生ほか漢文に関心のある人にも大変人気のある叢書です。
復刻版 ジャパン・パンチ(雄松堂書店 全10冊+解説書)「イラストレイテッド・ロンドン・ニュース」の特派員画家として1861年に来日したチャールズ・ワーグマン(1832-1891年)は、東禅寺事件などの政治・歴史的事件のみならず、風俗や日常生活を25年間も報道し続け、高く評価されています。彼が創刊した本書は、ポンチ絵といわれる独特のタッチに諧謔と風刺を織り込み、幕末・明治の動乱期を活き活きと伝えています。
平安京提要(角川書店 古代学協会・古代学研究所編集『平安通志』刊行以後100年にわたる平安京の遺跡・遺物、文献の研究成果を集大成した書籍で、 京内は町割単位、京外は地区割で宮都400年の歴史を実証的に復元した大変貴重な書籍です。
日本古代銭貨流通史の研究(塙書房刊 栄原永遠男著)/日本古代の貨幣と流通(吉川弘文館刊 三上喜孝著)様々な資料をもとに和同開珎を中心に古代銭貨に考察がされています。日本古代銭貨出土一覧表はかなり詳細な情報が掲載されています。第16回角川源義賞受賞した名著です。和同開珎以前の無文銀銭と富本銭の特質を再検討し、律令国家成立から平安時代の皇朝十二銭、中世の渡来銭流入に至る過程を検証し、地域社会の主流であった現物貨幣にも注目し、古代社会の貨幣流通の実態と構造を解明した書籍です。
禅宗地方展開史の研究(吉川弘文館刊 広瀬良弘著)/山岳宗教史研究叢書(名著出版 揃18冊)第1章では越中における五山系禅院の隆盛と臨済宗法灯派の展開を第2章では曹洞宗の地方展開を第3章では曹洞禅僧と宗学について考察した大冊です。日本人の精神生活の原点であった、山に寄せられた山岳信仰や修験道の展開を軸に、我が国の山岳宗教研究を初めて集大成したシリーズです。
「重要文化財 本願寺大師堂修理工事報告書」京都府教育委員会 平成21(2009)国宝・重要文化財等の建造物や街並みの修理工事報告書・調査報告書は、各種調査・資料・記録写真・図面などがまとめられ、建築・歴史の学術資料として、大変重要なものです。本書は浄土真宗の根本道場たる本願寺の、宗祖とする親鸞聖人の御影像を安置している大師堂の修理工事報告書です。大師堂は、昭和25(1950)年に重要文化財に指定されています。調査事項はもちろん、写真が豊富に掲載され、今後の参考になる重要な資料です。
岩波文庫・講談社学術文庫・ちくま学芸文庫などの文庫本や中公新書などの新書も、杉本梁江堂はどしどし買取させていただいております。本以外のものでも、作家・著名人の原稿・手紙や文人文豪の書画・掛軸・色紙・短冊など積極的に買取しております。また、戦前の絵はがきや古写真・沿線案内は今最も人気のある商品の一つですが、押入れ・引き出しに入ったままのそのような一枚刷り・紙もの資料も「紙くずなので捨ててしまおうか」という前に、各種分野在庫多数の杉本梁江堂にぜひご相談ください。100年以上の経験・実績がある杉本梁江堂が査定させていただきます。
「子規居士十五週忌記念画帖」 大正6(1917)頃明治35(1902)年に没した俳人・正岡子規の十五周忌に友人や弟子たちが作成した画帖です。中村不折・河東碧梧桐・高浜虚子・内藤鳴雪・吉野左衛門・下村為山の6名が描いた肉筆の絵や句と、生前子規が根岸庵で描いた写生画8枚と中村不折の絵2枚の複製(計10枚で「根岸十景」)合計16枚の貼込になっています。序文・奥付などはなく、何部発行されたかはわかりません。子規門下の双璧と言われながら、子規没後、自由律の碧梧桐と五七五調の写生重視に徹した虚子が対立しましたが、この本では共演をしています。
「谷崎潤一郎書簡」 墨書封筒付 昭和26年 手紙を書くことは少なくなりました。しかし、かつては手書きの手紙が、相手に思いを伝える大切な手段でした。明治から昭和にかけて活躍した日本を代表する文豪たちは、数多くの手紙をのこしています。谷崎潤一郎もその一人で多くの書簡・手紙が全集に掲載されていますが、この書簡は65才の谷崎が信頼する神戸の医者に京都で診察をしてもらったお礼や晩年を迎えての不安等を吐露した長文の書簡で、保存状態も良好なものです。
「畦地梅太郎木版画入年賀状」1953年~1973年の内 7枚畦地 梅太郎は昭和期に活躍 した日本の版画家で、 山岳風景を題材とした木版画作品を多数発表し、「山の版画家」 として知られています。画文集の出版や装丁、挿画などの分野でも活躍しました。掲載の年賀状は畦地が50才から70才にかけての円熟期を迎えた折の彩色木版画入の知人に宛てた年賀状7枚です。
「The Charming Views in the Land of the Rising Sun」 小川一眞小川一眞は写真製版技術の端緒を開いて、明治中期以降の写真・印刷界における新たな開拓者です。、明治中期より名所風俗を扱った高品質のコロタイプ写真集を相次いで発表、これら写真製版技術の発展は、写真文化の大衆化、さらなる近代化を促すきっかけとなっていきます。さらに明治27年(1894)には、文字と図版を同時に印刷できる銅版印刷でも嚆矢を示し、記録・報道写真でも功績を残すなど、マスメディアの発展にも大きな足跡を残しました。この写真集は北は北海道から南は鹿児島までの日本の名所を英文の解説とともに全部で174箇所を紹介しています。